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十年はひと昔。鴨川に亀の形の飛び石(通称亀さん)を設計して10年経ちました。製造者責任(?)が消え,まさに,「亀さんが一人歩きできるようになった」と,最近,感じています。 しかし,これまで,亀さんの設置には色々なご意見をいただきました。『何故 かめ?』に対して,これまで答えたものを並べてみると,
@ 気軽に川で遊んでもらうため
子供たちに雨と川の増水の関係を知って欲しい。「今日の雨は,かめさんの頭まで浸かってたよ」みたいに。
A 思い出の場所にするため
そのためには,子どもに愛され水に住み,上に立ったり座ったり出来るもの。亀以外になんか考えられますか?
次によくある御意見は,人工的だ,自然の石を使うべきだ,京都らしさがない,デザインに品がないなどです。川の姿と相対するのが砂利の大きさ。今回の飛び石を設置した位置での自然な石の大きさは,とても人の乗れるものにはなりません。そこで,計画コンセプトとして次のようなケースからの選択を考えました。
@ 疑似自然とする
しかし,中途半端は失敗の元。
A 目立たないものにする
しかし,これもダメ。子どもも楽しむランドマークとすることも目的です。
結局,
B 人工物として主張する
となりました。後はデザインの問題です。基本は切石。あとは,亀,千鳥,高瀬舟などから見る人の記憶に残り楽しいものを考えてみました。
「京都らしさ」と言う言葉にはずいぶん悩まされましたが,私の結論は,新しいものに抵抗しつつ,時間をかけて暮らしに取り入れてしまうこと。近頃,若者や子どもたちに愛着を持ってもらえている様子です。
飛び石の間隔が広く子供や女性には危険だとの声もあります。けれど,お子さんが自分でわたれるようになったら,「一人前の子どもになったな!」と誉めてあげてください。奥さんが怖がったら,何年ぶりかで,手をつないであげてください。久しぶりに(失礼)笑顔にあえるはずです。
今度,是非,最愛の人と鴨川へどうぞ。コンクリートの亀が生き生き見えるかも・・・・
元京都府京都土木事務所河川課技師 吉見重則
(2005.7.1 寄稿)
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